米粉湯種でふわふわもちもちしっとりな食パン&塩パンが焼けました【レッスンレポート】2025.7
7月の酒種酵母レッスンのテーマは「米粉湯種パン」
単に米粉を配合するだけでなく、一度湯種にしてから生地に加えることで、しっとりもちもちとした独特の食感に仕上げています。酒種酵母との相性も良く、焼き上げたパンは時間が経ってもそのやわらかさが続くのがうれしいポイントです。
暑さが本格化すると、つい冷たい麺類に手が伸びがちですが、このパンなら夏でもするりとおいしく召し上がっていただけるかなと提案しました。
レッスンメニューは、
「食パン」「塩バターパン」
同じ湯種生地から展開するメニューです。
ふわもちしっとり。米粉湯種で「食パン」
米粉湯種について
今回の「米粉パン」は、米粉を単に加えるのではなく、米粉をあらかじめ「湯種」にしてパン生地に練り込む方法を取り入れています。
湯種は、熱湯と粉を練って作るものや、水と粉を鍋で炊くものがあります。レッスンでは、後者を選択。デモでその作り方をお見せしながら理由もお話しています。
この湯種を加えることで、時間がたってもパンはしっとりとした食感とおいしさが長持ちします。
試作時、3日経ってもやわらかさが変わらず袋の外側から毎日のように触っていました。(食べ切ってしまったので4日目以降は不明)
試行錯誤した「食パン」
レッスンで作ったのは、パウンド型で焼いた食パンです。
同じ容量のキューブ型でも試作しましたが、こちらの方がのびのびと釜のびもして美味しかったので、こちらに決めました。
型の形を変えてみたり、材料となる米粉を変えてみたり、湯種の作り方でも違いがあるので、今回の試作はほんとうにたくさんしました。
たかが食パンされど食パン。米粉湯種のパンは奥が深いです。
釜伸びしてエアリーな断面
これまで、湯種パンは何度かレッスンしています。
湯種生地は釜伸びしにくくなりがちですが、そこは酒種酵母の力強さがカバー。しっかりオープンで膨らみます。酒種酵母パンは、最後の追い上げに力を発揮しますものね。
レッスンでは「過去イチ膨らんでませんか?!」という生徒さんの声もあったほど。同時に焼き縮みもするので、通常のパンと同じくらいの大きさに落ち着きます。オーブンの中を見るのがとても楽しい時間です。
この↓断面から、やわらかさが伝わるでしょうか。
気泡はそれほど細かくはないですが、均一にいきわたり、ミミも薄く、とても食べやすいのです。
米粉湯種パンの味は…
そして、肝心の味の特徴は、「とても甘みがある」ということ。
パン生地に加えた砂糖以上の甘みが出ます。これも米粉湯種のデンプンからくる甘さなんでしょうね。
つづいて、
同じ生地で別のパンです。
1つの生地から別の種類のパンを考えるのも通例となりました。
そのパン生地を深堀りできるので、ある意味楽しいですし、いろいろなヒントをお伝えしているので、生徒さんもアレンジされて、ストーリーなどにUPしてくださるのがとても嬉しいのです。
夏に嬉しい「塩バターパン」
もうひとつの主役は「塩バターパン」
こちらは丸く成形し、中にはコクのある発酵バターを包み込みました。
焼きに入る前に表面にぱらぱらと塩を振りかけて、夏にぴったりな味わいに仕上げています。
以前の酒種酵母レッスンで作った「塩パン」は、バターロールのように成形していましたが、こちらは丸めるだけ包むだけの簡単成形。
というのもこの生地、
夏場の酒種酵母というのに加えて、湯種で加水も多いためかなりベタつきやすいのです。
そんな中での手につきにくい成形で中にバターを詰め込みました。
最初これくらいだったパン生地も、
焼き上がりはここまで膨らみます。
ぷっくりとして、ふわっふわな食感です。
塩バターパンは、くせになるおいしさ。
そこに、米粉湯種効果のふわふわしっとりもっちりがおいしさを引き立てています。
テーブルの様子
いつもの、ランチタイム。
パンがたくさん並んで、よき眺め。写真タイムも楽しみました。
すっかりおなじみになったカンガルーもこの日は縁の下の力持ちです。
スタイリング写真
毎回少しずつちがったスタリングです。
スープは冷たい「ラタトゥイユ」
レッスン初旬は涼しい日が何日かつづいていたものの、後半はやはり暑い日々。
ラタトゥイユは朝から冷やして準備しておきました。夏野菜たっぷりです。
夏によりそうパン時間
米粉を湯種にして仕込むことで生まれる、しっとりもっちりの食感。その魅力を酒種酵母と掛け合わせた今月のレッスンは、「食パン」と「塩バターパン」の2種類で楽しみました。
レッスンでは「過去イチ膨らんでませんか?」という声があがるほど元気に釜伸びした食パンと、「ふわふわで塩味が後を引きます」と好評だったやさしい甘みと塩気のバランス塩バターパン。どちらも夏にぴったりなパンです。
生徒さんの笑顔があふれるひとときとなり、このパンが皆さんの夏の食卓を支える存在になってくれたらうれしいです。