今年も「梅酵母」がはじまりました。パン作りの予想外の展開に学びあり

自家製酵母

梅雨の足音とともに、梅酵母が今年もはじまりました。

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酵母づくりの様子

実家で収穫してきた青梅。

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「酵母の分だけ」と思っていたのに、なぜか増えていく不思議(笑)

梅干しも梅シロップも在庫がたっぷりあるので、今年はどんなものに生まれ変わってもらおうか、追熟させながら思案中です。

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さて、酵母ができあがるまでの様子はこちら。
大きな瓶に大きな青梅。その大きさゆえか最後まで梅が浮いてこなかったですが、ちゃんと酵母はできあがりました。

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この”オリ”を見るのが大好きです。

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フタを開けると梅のまわりの気泡で梅が浮き上がります。
(動画はインスタの投稿へ→★

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泡ぶくシュワシュワ。見るだけでわくわくします。

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できあがった酵母はそれ自体をパンにに使うのと同時に、別のあたらしい梅酵母を仕込む際に「お助け酵母」としても活躍してもらいました。ほんの数グラムですけれどとても重要な役割です。

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おかげであっという間に発酵して、あっという間に梅が浮き上がってきます。
小さい粒なのでよけいに浮き上がりやすくなりますね。

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発泡の強さにほれぼれ。(これも載せてますIG投稿へ→★

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まずは元種でふたつのパン

さて、この液種から元種を起こして、パンに使っていきます。

まずは「生食パン」

自家製酵母でもふわふわパンが食べたいので、生クリーム入りの食パンです。
配合は過去の著書「自家製酵母のホームベーカリーレシピ」から。
HBおまかせコースに設定し、ラストで型入れ替え作戦を試みました。

梅酵母食パン 20250604-DSCT0587-0

釜伸びばっちりです。

全粒粉入りの元種なので、断面はややくすみカラーですね。

梅酵母生食パン 20250605-DSCT0709-1

 

つづいて元種入り「蒸しパン」

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これはすでにこちらのブログで登場しています。

 

食パンを焼いた時点で、かなり力強い酵母と感じたので、
液種ストレート(粉に直接液種を配合するやりかた)使ってみよう!と、翌日はカンパーニュを焼くことにしました。

これが予想外の結果になったのです。

 

びっくりなパン生地

結論から言うと、近年まれにみる「食べられなかったパン」になりました(悲)

生地の状態では捨てられないので、いったんオーブンで火を通してからサヨナラしたときの様子がこちら。(本当は写真を撮るのもやめようかと思ったのですが情報残したくて撮りました)

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ちぎれる生地に首をかしげる

実は捏ね始めから「何かおかしいな」と思っていました。

ちょうど同時進行で酒種酵母(写真左)も仕込んでいたので比較ができます。
どちらも粉の種類も粉量も加水も同じです。しかしながら梅酵母ストレート(写真右)は完全になめらかさに欠けていました。

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パンチでつないでいくので、きっと良い生地になるものと思っていたのですが、パンチを入れるほど&時間が経てばたつほどどんどんちぎれてダレた生地に。最後までこんな(↑写真)バサバサとグルテンがつながりませんでした。

で、あきらめてこうなった↓という次第です。(二度も載せる。笑)

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一方、同時進行で焼きあげた酒種酵母カンパ↓
美しい。という以前に、ちゃんとパンになっていることに改めて嬉しさが(苦笑)そしてまた香ばしい香りに癒されました♡

酒種酵母カンパーニュ 20250605-DSCT0674-0

 

原因は何?(考察)

こういうちぎれて膜が張らない生地の感覚には、過去にも思い当たることがあります。

以前、レモン酵母元種でしっかりこねた食パンが、ホイロで高温に設定してしまったこともあり、いざ焼こう!と思ったら表面がブチブチっと切れた状態になって愕然としました。焼いても釜伸びはまるでしませんでした。(とりあえず食べてみたけど。笑)

これ以外でもホイロ時点で生地が切れる経験は他の酵母では経験済み。
でも今回は、捏ねの段階からグルテンがつながらなかったのです。

となれば原因は酵母しか思いあたらず、pHを調べてみることにしました。
簡易pH試験紙ですが割と参考になります。

酵母pHテスト 20250605-DSCT0651-2

このとき冷蔵庫にあった酵母全部をテスト:

1.いちご
2.レモン
3.ゆず
4.酒種
5.梅
6.レーズン

結果、梅酵母がダントツでpHが低い。レモン並みいやそれ以上の酸性度でした。

写真には残していませんが、酒種酵母と梅酵母、それぞれの生地も少量を水に溶いてテストしたら、明らかに梅酵母のほうが赤(酸性寄り)でした。

 

酵母の力が強いからといって、酸性の強い酵母の場合は、酵母液ストレートは無謀でしたね。
今回は酵母液がたくさんあるからと、加水を「水+酵母液」にせずすべて酵母液にしたのですからもう酸性マックスです(笑)
とても勉強になりました。

やはり、これからも元種を起こしてpHも発酵力も安心できる状態でパンを仕込もうと思います。元種を起こすのは、実はあまり手間と感じたことはなくむしろ好きな作業ですしね。
液種を使いたくなったら「元種+液種」の両方使いでバランスをとりながら。

 

 

 

リベンジの「カンパーニュ」

カンパーニュを焼き上げないと気持ちの整理がつかないので、
翌日、元種配合の(←ここ大事)カンパーニュを焼きました。

梅酵母カンパーニュ 20250606-DSCT0783-0

無事、酒種酵母と同様の見た目のカンパ―ニュが焼きあがりました。
美しい。(安堵)

梅酵母カンパーニュ 20250606-collage

全粒粉配合で断面もいい色です。

梅酵母カンパーニュ 20250606-IMG_5895-0

 

最後に

パン作りは、思い通りにならないからこそ面白いもの。

うまくいったときの達成感はもちろんですが、今回のような「?」の経験こそ、酵母やパンとじっくり向き合う絶好の機会かなと思います。

私の考察が正解なのかは、正直、酵母に聞いてみないとわかりません(笑)
それでも、今回の梅酵母事件(!?)は、間違いなくひとつの学びになりました。

きっとまた、次のパン作りにつながってくれるはずです。

梅酵母カンパーニュ 20250606-IMG_5906-0

 

ちなみに当教室では、定期的な「自家製酵母」レッスンは終了しています。現在は、もっと手軽に使えてふわふわパンの焼ける自家製酵母「酒種酵母」のパンレッスンを行っています。
ご興味のある方は、レッスンのご案内ページもどうぞのぞいてみてくださいね。

 

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